懐かしい・・・・残影

 先日ジィジは仕事の打合せでA町に出掛けた。その時の話を少々・・・・
 約束の時間までには1時間程の余裕があったので、久し振りに山里の寂れた
 集落(失礼かな?・・)を訪れた。
 そこはジィジが無垢(と思うが・・)な幼年期から多感な少年時代を過ごした
 山間の土地(ところ)だ。
 その地とはかって戦後の復旧の中、日本の石炭産業(国策)の一端を担っていた
 雄別炭鉱(三菱系列)の存在したところである。
 そこはまことに賑やかな街並みで、時代を象徴する好景気の中心にあったものだ。
 しかし昭和40年代の半ば頃、国のエネルギー政策の転換に伴い需要不況の嵐に
 耐え切れず、そこは敢え無く“閉山”の憂き目に遭ってしまった。
 閉山と同時にあれほど沢山いた人々は、打ち寄せる波が容赦なく引くように
 あっという間に去って行ってしまい、先住の人達だけがそこに残った。
 あれから35年余り・・・・今では道行く人影も疎らな寂しい集落へと変貌したが
 そこに暮らしていたジィジ達にとっては、紛れも無く忘れ得ぬ「故郷」なのだ。


  『今でも目を閉じれば思い出が蘇る懐かしい“残影”なのである』


 然し、その寂れた土地にも誇れるものがまだまだいくつか存在するので紹介したい。
  ★真澄(ますみ)⇒布伏内地区(かっては花吹町)にある隠れたラーメンの名店。
             ジィジのお勧めは行者にんにく(ア☆ヌネギ)をトッピングした
             醤油ラーメン
  ★かくれんぼ  ⇒最近オープンしたばかりの素朴で落ち着ける手造りの喫茶店
             いっとき静寂な自然に溶け込んでしまったような気分が味わえる。
             寡黙だか誠実そうなマスターが描いた絵も一見の価値あり。
             真澄を抜けて雄別に向かう登りの道路の右側に看板あり。
  ★シュンクシタカラ湖⇒集落から20㎞程奥に入ったところにある静寂で神秘な湖。
               いまにも古代の生物が目の前に現れそうな錯覚にとらわれる
               殆んど人が踏み込んでいないので充分に自然を満喫出来る。
               湖に向かう途中の山道は、かって「リトル層雲峡」と称された
               圧倒される壮厳な名勝である。
               又、湖から流れるシュンクシタカラ川には“三段の滝”
               存在し、なかなかの絶景である。