同感・・・・ そして感動

つい4、5日前の事。
毎月通っている歯の検診とメンテナンス(インプラント)の帰りしな、
いつもの定番となっている歯医者近くの喫茶店に立ち寄る。
いつものようにココアを頼み、そしていつものように週刊誌を読み出した。
そうしたらこんな記事が目についた。
樋口了一「ポストマンライブ/手紙」ミニライブ84回目を迎えるetc” との記事。
そこに掲載されていたのが 「 手紙 〜親愛なる子供たちへ〜 と云う歌の歌詞。
否応無しに誰にでも必ず訪れる(襲ってくる・・・?)
『 老いと向き合う姿 』 を、真摯に優しい言葉で見事なまでに綴っていた。
到底現在のメール等では無理であり、“手紙”と云う媒体を使っての表現だから良いのである。
読み終えた時、妙に身につまされて 同感し・・・・ そして感動した。
今(62歳)の自分・・・・ 88歳で逝った親父・・・・ 83歳で逝った爺様。
「いつもいつも同じ話を何度も何度も繰り返していた親父」
「いつも食べ物をこぼしてばかりで、乾けばテカテカになっていた着物姿の爺様」

歌詞の中の節々に思い当る情景が表現されており、つい最近の事の様に蘇って来た。
その歌詞と云うのがこれ。


 手紙 〜 親愛なる子供たちへ 〜
   
原作詞〜不詳  日本語詞〜角 智織  補作詞・作曲・歌〜樋口了一


 年老いた私が  ある日  今までの私と違っていたとしても
 どうかそのままの私のことを理解して欲しい
 私が服の上に食べ物をこぼしても  靴ひもを結び忘れても
 あなたに色んなことを教えたように  見守って欲しい
 あなたと話す時  同じ話を何度も何度も繰り返しても
 その結末をどうかさえぎらずに  うなずいて欲しい
 あなたにせがまれて繰り返し読んだ  絵本のあたたかな結末は
 いつも同じでも  私の心を平和にしてくれた
 悲しいことではないんだ  消え去ってゆくように見える私の心へと
 励ましのまなざしを向けて欲しい


 楽しいひと時に  私が思わず下着を濡らしてしまったり
 お風呂に入るのをいやがるときには思い出して欲しい
 あなたを追い回し  何度も着替えさせたり  様々な理由をつけて
 いやがるあなたとお風呂に入った  懐かしい日のことを


 悲しい事ではないんだ  旅立ちの前の準備をしている私に
 祝福の祈りを捧げて欲しい
 いずれ歯も弱り  飲み込む事さえ出来なくなるかも知れない
 足も衰えて立て上がる事すら出来なくなったなら
 あなたが  か弱い足で立て上がろうと私に助けを求めたように
 よろめく私に  どうかあなたの手を握らせてわ欲しい
 私の姿を見て悲しんだり  自分を無力だと思わないで欲しい
 あなたを抱きしめる力がないのを知るのはつらい事だけど
 私を理解して支えてくれる  心だけを持っていて欲しい
 きっとそれだけでそれだけで  私には勇気がわいてくるのです
 あなたの人生の始まりに  私がしっかりと付き添ったように
 私の人生の終わりに  少しだけ付き添って欲しい
 あなたが生れてくれたことで  私が受けた多くの喜びと
 あなたに対する変らぬ愛を持って  笑顔で答えたい


 私の子供たちへ
 愛する子供たちへ
 
 


 原作詞は外国らしいが、色々と考えさせられる歌である


 樋口了一】 Google で調べたら
 1964年2月2日、熊本県生まれ。その他の代表作に「水曜どうでしょう」のテーマソング
 『1/6の夢旅人』etc
 因みにこの『手紙〜親愛なる子供たちへ〜』で、2009年に日本レコード大賞優秀作品賞
 及び日本有線大賞有線音楽優秀賞を受賞しているそうです。