お盆の思い出

お盆の正式名称は盂蘭盆会(うらぼんえ) 」 と云い、
先祖の精霊を迎え、追善の供養をする期間を「お盆」と呼ぶのだそうです。
盂蘭盆会とはインドのサンスクリット語のウラバンナ(逆さ吊り)を漢字で音写したもので、
転じて「逆さまに釣り下げられるような苦しみにあっている人を救う法要」と云う意味だそうだ。
北海道のお盆は旧暦なので、期間は8月13日〜16日までの4日間で行われます。
先月の30日はお袋の命日でしたが、この14日は親父の命日でした。
頑固者で偏屈なところも多少はあった親父でしたが、結構愛嬌のある親父でして、
亡くなったのがお盆の14日。 これなら絶対に命日を忘れない(笑)


そんなお盆のジィジの思い出と云えば・・・ 今から50年程も前の話。
当時ジィジ(その頃はジィジでは無い・・^^)は、雄別炭鉱の炭住街に住んでいた。
その頃のジィジは、
昔で云う「ワル餓鬼のガキ大将」で、いつも十数人の子分を引き連れて遊んでいたものだ。
毎年ジィジ達ワル餓鬼の“お盆”の楽しみは・・・・ 町外れに在った“墓地”
この時期、お盆の墓参りに沢山の人達がやって来る(※炭鉱は落盤事故で亡くなる人が多い)
ご先祖様や親兄弟への供養にと、数多くのお供物が墓石や塔婆の前に供えられる。
ジィジ達ワル餓鬼は ・・・・  それが狙いだ!!
ジィジ達一味は、木の陰や草むらに身を潜めて、お参りの人達が帰るのをジッと待つ。
お参りの人達が帰るや否や・・・・ ワル餓鬼の一団は一斉にハイエナの様にお供物に群がる。
次から次へと口へ運び、口に余るものは躊躇なくズボンやシャツのポケットに押し込む。
ボタ餅もお菓子も果物も一緒くたに、お構いなしで入るだけ押し込む。
ポケットの中は、ボタ餅や水密・スイカや饅頭などで大賑わい(笑)

(※でも今に思えば、昔の人は優しかった。おそらく潜んでいる事が判っていたのだろう・・・・。
  帰った後にお供物を食べれる様、綺麗に置いてくれていた。)

ジィジ達は次の客(?)が来るまでの間、それらをポケットから一生懸命に口へと運ぶ。
その所為でズボンのポケットはグチャグチャのごちゃ混ぜ状態(爆)
左程、家が貧しかった訳でも無いが、甘い物には相当飢えていたのかも知れない。
帰りにはゴム短を履いたまま、墓地の傍を流れるシュンクシタカラ川でポケットを洗う。
水が入ったゴム短の“キュッ・キュッ”と鳴る音が、今はとても懐かしく思い出される。


 今更ながらに、
 まっこと、罰当りの話で何と云う楽しみだったのだろう!!(大爆)
 よくも地獄の閻魔様に叱られて、キツイ罰を与えられなかったものだ。